2026.11.06
家を売る前の片付けはどこまで必要?家具・家電の処分と残す物の決め方
家を売りたいけれど、家具や荷物が多く、片付けを考えるだけで手が止まってしまう。相続した実家や、長年暮らした住まいでは、こうした悩みもあるのではないでしょうか。
売却相談の前に、家具や家電をすべて処分する必要はありません。まずは現在の状態を不動産会社に伝え、売り方と引渡し条件を相談しましょう。
ただし、査定のときに荷物があってよいことと、買主へ引き渡すときに残せることは別です。「いつまでに、何を、誰が片付けるか」を分けて考えると、準備を進めやすくなります。
査定・内覧・引渡しで変わる片付けの範囲
最初から家を空にすることを目標にせず、売却の段階に合わせて整理してみましょう。
| 段階 | 片付けの考え方 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 売却相談・査定 | 荷物の量が分かる写真などで、現在の状態を伝える | 室内確認のために空けたい場所があるか |
| 購入希望者の内覧 | 通路や水回りなどを整え、室内を見てもらいやすくする | 見せる収納、貴重品や個人情報の保管場所 |
| 契約・引渡し | 買主と決めた条件に従って搬出や引き継ぎを進める | 残す物、撤去する物、費用負担、完了日 |
居住中なら、生活に使う家具まで内覧のために急いで処分する必要はありません。内覧時の準備は、【住みながら家は売れる?内覧の準備・注意点と売却方法を解説】で紹介しています。
家具・家電と設備の分け方
持ち出す物と引き継ぎたい物を分ける
まずは「新居へ持っていく物」「処分したい物」「買主に引き継いでもらいたい物」に分けて一覧にします。判断がつかない物は、保留として残して構いません。
ソファや食器棚などは、売主がまだ使えると思っていても、買主が必要としているとは限りません。引き継ぎを希望する場合は、写真や寸法、傷み具合を伝え、買主の意向を確認しましょう。
エアコンや照明は取り外す前に確認する
エアコン、照明、カーテン、物置などは、残すか持ち出すかを早めに不動産会社と確認したい物です。「設備だから全部残す」「自分で買った物だから全部外す」と自己判断で進めないようにします。
買主へ引き継ぐ物は、付帯設備表などの書面に記載します。付帯設備表は、引き渡す設備の有無や状態を確認するための書類です。どの書面で確認するかは担当者に聞き、故障している物や動作を確認できていない物も伝えてください。
荷物を残して売りたいときの確認事項
引渡し時に残る家具や生活用品などを「残置物」と呼ぶことがあります。荷物を残す希望がある場合は、その範囲と処分の負担を、売買契約を結ぶ前に確認しましょう。
確認するのは、主に次の4点です。
- どの部屋の、どの物を残せるか
- 撤去や処分を誰が手配し、費用を負担するか
- 荷物を残す条件が、売却価格にどう反映されるか
- 売主が持ち出す物を、いつまでに搬出するか
口頭で「そのままで大丈夫」と聞いた場合も、対象となる物を一覧や写真で示し、契約書や関連書面の記載と合っているか確認します。

ロイズコーポレーションでは、家具や家電、生活用品などが多く残る物件も、買取についてご相談いただけます。先に処分を進める前に、現在の状態をお知らせください。具体的に何を残せるか、費用や価格をどう扱うかは、物件ごとに確認します。
「現状渡し」という言葉だけで荷物の扱いを決めず、【不動産売却の「現状渡し」とは?メリット・デメリットと売却前の注意点】もあわせてご確認ください。
自分で処分する場合の進め方
書類・貴重品と家族の持ち物を先に確認する
処分の前に、権利証などの不動産関係書類、通帳、印鑑、鍵、写真や思い出の品を分けておきましょう。収納の奥や家具の引き出しも確認します。
家族やほかの人の持ち物は、本人に確認してから扱います。相続した家で持ち物の帰属や処分について意見が分かれている場合は、片付けを急がず、弁護士などに相談してください。
家具と家電の処分先を調べる
家庭から出る不用品は、物件所在地の自治体が案内する方法で処分します。粗大ごみの対象品目、予約方法、持ち出し場所は地域によって異なるため、作業日を決める前に確認しましょう。※1
例えば豊島区では、家庭の家具などで一辺が30cmを超える物は原則として粗大ごみとなり、有料・事前申込み制です。これは豊島区のルールであり、ほかの自治体でも同じとは限りません。※2
また、豊島区ではエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機を区のごみとして収集していません。購入店や買い替え先など、案内された窓口へ確認します。家電を家具と一緒に粗大ごみへ出さないよう注意してください。※3
回収業者は許可と見積もりを確認する
環境省は、家庭の廃棄物の回収には市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要と案内しています。産業廃棄物処理業や古物商の許可だけでは、家庭の廃棄物を回収できません。※1
依頼先が分からない場合は、自治体の清掃担当窓口へ相談しましょう。片付け作業を依頼する会社と、廃棄物を実際に収集・運搬する会社が別なら、それぞれの担当範囲も確認します。
見積もりでは、搬出作業、収集・運搬、処分、家電の取り外し、清掃など、どの作業が含まれるかを確認してください。階段での搬出や荷物の追加によって料金が変わるかも、契約前に聞いておきます。
解体する予定の家でも、荷物を建物と一緒に処分できると考えないようにしましょう。環境省は、解体・リフォーム前の家庭の残置物について、市町村に相談し、指定された方法で処理するよう案内しています。※4
片付け費用と売却条件の比べ方
片付け費用は、間取りだけでは判断しにくいものです。荷物の量、品目、搬出経路、取り外し作業の有無などをそろえて見積もりを取りましょう。
「自分で片付けて売る案」と「荷物を残す条件で売る案」を比べるときは、売却価格に加えて、自分が払う処分費、作業の手間、引渡しまでの日程も並べて確認します。
例えば、売却価格が高い案でも、売主が多額の処分費を先に払う条件なら、その支出を含めた比較が必要です。反対に、荷物を残せる案でも、必要な物を取り出せる期限や残せない品目を確認しておきましょう。
買取と仲介の違いは、【不動産売却は仲介と買取どっち?違い・メリットと選び方を比較】で説明しています。
片付け前の売却相談に用意するもの
相談のために荷物をすべて動かすより、まずは次の情報をまとめてみてください。
- 物件の所在地と、現在住んでいるか空き家か
- 各部屋と収納、庭や物置の荷物が分かる写真
- 持ち出す物、残したい物、判断を保留している物の一覧
- 売却・引越しの希望時期と、自分で作業できる範囲
- すでに取得した処分費の見積もりや、予約済みの作業日
ロイズコーポレーションへ売却を相談する際は、「家具や荷物が残っている」とお伝えください。片付けの負担と売却条件を一緒に整理するために、残したい物や希望時期もお聞かせください。
参考資料・出典
以下の資料は2026年11月6日に確認しています。自治体の案内は、その地域の家庭ごみの取扱いです。実際の処分方法は物件所在地の自治体へご確認ください。
※1 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」。家庭の廃棄物の処分方法、回収業者の許可・委託の確認。
※2 豊島区「粗大ごみの出し方」。対象の大きさ、有料・事前申込み制の案内。
※3 豊島区「家電(テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)」。区で収集しない家電と処分窓口。
※4 環境省「残置物の適正処理のお願い」。解体・リフォーム工事前の家庭の残置物の処理。